簡単な説明
このファンクションは、IDEC SmartRelayがRUNモードのときに、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイに他のブロックのメッセージ出力とパラメータを表示します。
IDEC SmartRelay FL1E装置シリーズでは、IDEC SmartRelay FL1D以前の装置ではサポートされていなかった多くの新しいメッセージ出力機能がサポートされています。 ただし、お使いになっている回路プログラムで、新しい機能が付いた IDEC SmartRelay FL1Eメッセージ出力ファンクションブロックを使用するか、またはIDEC SmartRelay FL1Dメッセージ出力ファンクションブロックを使用するかを選択できます。この選択は、[ファイル->メッセージ出力選択]ダイアログで、その他のグローバル設定とともに実施します。 使用している回路プログラムで、IDEC SmartRelay FL1Dメッセージ出力ファンクションブロックとIDEC SmartRelay FL1Eメッセージ出力ファンクションブロックとを、混合して適合させることはできません。
接続 |
説明 |
入力En |
入力En (有効化)で0が1に移行すると、メッセージ出力の出力がトリガされます。 |
入力P |
Pはメッセージ出力より優先されます。 優先度は0が最低で、127が最高です。 Ack:メッセージ出力の承認 |
パラメータ |
テキスト: メッセージ出力の入力 パラメータ: 既に設定された、数字または棒グラフで表示できるパラメータまたは実 効値(「表示可能なパラメータまたは実効値」を参照) 時間: 継続的に更新される時刻を表示します 日付: 継続的に更新される日付を表示します EnTime: 入力Enでの信号の0から1への移行時刻の表示 EnDate: 入力Enでの信号の0から1への移行日付の表示 I/Oステータス名:たとえば「On」、「Off」など、入力または出力のステータス名の表示。 アナログ入力:メッセージ出力で表示されてアナログ時間に従って更新されるアナラオグ入力値の表示 |
出力Q |
メッセージ出力が待機中であるかぎり、Qは設定されたままになります。 |
設定
ファンクションブロックの入力とメッセージ出力のパラメータに加えて、以下の設定によって、さらにメッセージ出力の表示を制御します。
文字セットの選択:プライマリ文字セットまたはセカンダリ文字セットから文字を選択して 、メッセージ出力を構成することができます。 IDEC SmartRelayの[メッセージ設定]メニューまたはWindLGCの[ファイル -> メッセージ出力設定]メニューコマンドから、この2つの文字セットを設定します。
メッセージの送信先: 選択して、メセージテキストをIDEC SmartRelayディスプレイ、テキストディスプレイ、または両方に表示できます。
チック設定: メッセージ出力は、チックできる場合とできない場合があります。つまり、表示のスク ロールのオンとオフを切り替えられます。チック機能とその選択につい て、詳細を以下に説明します。
機能の詳細
IDEC SmartRelayが実行モード中に入力Enで信号が0から1に移行すると、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイは設定されたメッセージ出力を表示します。
[メッセージの承認]チェックボックスが選択されていない場合、入力Enで信号が1から0に移行すると、メッセージ出力が非表示になります。
[メッセージの承認]チェックボックスが選択されている場合、入力Enが0にリセットされると、[OK]ボタンを押して承認するまで、メッセージ出力が表示されます。入力Enが高であるかぎり、メッセージ出力を承認できません。
複数のメッセージ出力ファンクションがEn=1でトリガされた場合、最高優先度(0 =最低、127 =最高)のメッセージが表示されます。このことはまた、新しいメッセージ出力は、その優先度がそれまで有効なメッセージ出力の優先度より高い場合にのみ表示されることを意味します。
回路プログラムがマーカ(内部リレー)M27を使用する場合、M27=0 (低)のときは常に、IDEC SmartRelayはプライマリ文字セット(文字セット1)にあるメッセージ出力のみを表示します。M27=1 (高)の場合、IDEC SmartRelayはセカンダリ文字セット(文字セット2)にあるメッセージ出力のみを表示します。
メッセージ出力が無効化または承認されると、ディスプレイは、最高の優先度の、前回 アクティブであったメッセージ出力を自動的に表示します。
RUNモードでの表示とメッセージ出力の表示を、ボタンと
ボタンによって切り替えることができます。
設定時に注意すべき特定の特性
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ブロック名領域 ここでブロックの名前を指定することができます。 |
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設定領域 ここで以下の設定を構成できます。
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チック領域 ここでメッセージ出力の、以下のチックパラメータを定義します。
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メッセージの送信先領域 ここで、メッセージの送信先にIDEC SmartRelayディスプレイ、テキストディスプレイまたは両方を選択します。
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メッセージ領域 ここで、メッセージ出力を配置します。 この領域に入力する情報は、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイに表示されるものに対応します。 この領域の上方に、さらにボタンがあります。
[AI]ボタン:アナログ入力値をメッセージ領域に配置します [ON/OFF]ボタン:0状態と1状態に対応する2つの文字列(たとえば「OFF」と「ON」)の1つによって表されるデジタル値を指定します [手動編集]ボタン:メッセージ出力エレメントを、他のエレメントの位置を変えずに、追加、移動、または 削除するために、スタティックエディタを使用します |
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ブロック領域 回路プログラムにあるすべてのブロックから、ここでブロックを選択し ます。続いてそのブロックから、メッセージ出力に表示するパラメータを選択できます。 |
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ブロックパラメータ領域 メッセージ出力に表示するパラメータを、ブロック領域で選択したブロックから、ここ で選択できます。 |
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[パラメータ挿入]ボタン このボタンで、選択したブロックパラメータを、メッセージ出力に挿入します。 |
メッセージ出力を配置するには
メッセージ領域には、4つの行と文字の位置のグリッドが表示されます。メッセージ出力設定領域の幅は、西欧文字セット24字またはアジア文字セット16字です。 どちらの場合でも各行の文字幅は、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイの文字幅の2倍です。実際のディスプレイよりも長いメッセージ行は、「チック」するように設定できます。 メッセージ領域でWindLGCは、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイが表示できる範囲に対応する区域を1つの色で示し、メッセージのチック機能によってのみ表示できる区域を 、別の色で表示します。
メッセージ出力のコンテンツを設定するには、以下のステップに従います。
[ブロック]領域から、パラメータを出力する元となるブロックを選択します。
必要なパラメータを、[ブロックパラメータ]領域から[メッセージ出力]領域に、ドラッグアンドドロップします。[挿入]ボタンを使用しても、パラメータ値を挿入できます。
[メッセージ出力]領域で、パラメータデータ、時刻または日付値を、必要なブロックパラ メータ領域から追加し、テキストを入力できます。テキストを入力する には、メッセージ出力用の文字セットを選択してから入力します。メッセージ出力領域上方のボタンを使用して、特殊文字、棒グラフ、アナログ入力値、 デジタルI/O状態名を追加することもできます。
メッセージ出力文字セット
IDEC SmartRelay FL1Eは、メッセージ用に5つの文字セットをサポートします。このうち2つを、[ファイル -> メッセージ出力設定]メニューコマンドを使用して、またはIDEC SmartRelayの[メッセージ設定]メニューから、メッセージ出力の表示用に選択できます。 50の可能なメッセージ出力を設定することができます。最初の言語からこれらのいくつかを選択し 、第2言語からいくつかを選択することができます。 たとえば、1つのメッセージ出力がある50のメッセージ出力ファンクションブロックを設定します。別の方法として、それぞれに2つのメッセージ出力(文字セット1用に1つと文字セット2用に1つ)がある25のメッセージ出力ファンクションブロックを設定します。 合計が50を超えない限りどのような組み合わせも有効です。
[メッセージ出力]ダイアログは、使用しているメッセージ出力に現在使用できる文字セットをメッセージ出力設定で設定されたものとして表示します。文字セットを使用するには、 [有効]チェックボックスとその文字セットのボタンを選択します。その後入力 する文字は、有効化して選択した文字セットからになります。文字セッ トの[有効]チェックボックスを選択解除する場合、WindLGCは確認を求めた後、その文字セットに対応するメッセージ出力が存在する場合、それを削除します。
メッセージ出力の文字セットは、IDEC SmartRelayディスプレイメニューの言語設定から独立しています。言語が同じであ る必要はありません。
IDEC SmartRelay ベースモジュールとテキストディスプレイは、中国の中国語文字セット(GB-2312)をサポートしています。 デバイスは、この文字セットにMicrosoft Windowsエンコード方式を使用します。 このWindowsエンコード方式により、中国語のエミュレータやMicrosoft Windowsの中国語バージョンを使用するとき、デバイスはWindLGCのメッセージ出力エディタで表示されるものと同じ文字を表示できます。
中国語文字セットには、中国語文字をWindLGCメッセージ出力エディタで正しく表示するために、Windowsの中国語バージョンまたは中国語エミュレータが必要です。 WindLGCでメッセージ出力ファンクションブロックを開く前に、中国語エミュレータを起動する必 要があります。
メッセージ出力がチックするかどうかを設定することができます。2つのタイプのメッセージチックがあります。
文字毎
行毎
文字毎にチックするメッセージでは、メッセージラインの文字が一度に 1文字ずつ左にスクロールして消え、追加の文字が一度に1文字づつ右からスクロールして表示されます。チックの時間間隔は、TickTimeメッセージ出力設定により指定されます。
行毎にチックするメッセージでは、メッセージの半分が左にスクロール して消え、残りの半分が右からスクロールして表示されます。チックの 時間間隔は、TickTimeパラメータの10倍になります。 2つの部分は、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイで単に交互に入れ替わるだけです。
チック時間は、テキストの文字または行が画面から消える時間の間隔で す。チック時間は、すべてのメッセージ出力用のグローバルメッセージ出力パラメータです。
例: 文字毎のチックメッセージ
以下の図は、WindLGCの1行24文字のメッセージ出力設定を示しています。
このメッセージがチック間隔0.1秒で「文字毎」にチックするように設定されている場合、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイにおけるこのメッセージラインの開始時の表示はこの図のようになりま す。
0.1秒後に、メッセージラインの1文字がチックします。 メッセージはIDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイで次のように表示されます。
次の0.1秒後に、メッセージラインの別の1文字がチックします。 メッセージはIDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイで次のように表示されます。
例: 行毎のチックメッセージ
以下の例は、前の例と同じメッセージ設定を使用しています。
このメッセージがチック間隔0.1秒で「行ごと」にチックするように設定されている場合、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイにおけるこのメッセージの開始時の表示は、この図に示すようにメッセ ージの左半分になります。
1秒後(10 x 0.1秒)に、この図で示すようにメッセージがチックしてメッセージの右半分が 表示されます。
画面ディスプレイは1秒毎に2つのメッセージの半分を交互に入れ替えます。
メッセージ出力の各行をチックさせるか、またはまったくチックさせないかを設定する ことができます。 「文字毎」または「行毎」の設定は、チックするように設定したすべて のラインに適用されます。行番号の横のチェックボックスを選択して、 その行のチックを有効にします。
棒グラフ
使用している回路プログラムの他のどのファンクションブロックでも、 その実効値の棒グラフ表示を指定できます。 棒グラフは、IDEC SmartRelayディスプレイまたはテキストディスプレイで水平または垂直にすることができます。1つのメッセージ出力に最大4つの棒グラフを設定できます。
メッセージ出力領域の棒グラフボタンを使用して、棒グラフをメッセージ出力領域に配置します。[バー設定]ダイアログから以下の情報を与える必要があります。
棒グラフが表す、使用している回路プログラムのブロック
棒グラフの最小値と最大値:IDEC SmartRelayは、最小値と最大値の間の実効値を縮小拡大して、棒グラフの長さまた は高さを計算します。
棒グラフの方向:水平または垂直
棒グラフの幅または高さ(文字間隔単位)
例:
以下の特性のメッセージ出力の棒グラフを考えます。
設定された棒グラフの長さ:4文字間隔
方向:横
設定最小値: 1000
設定最大値: 2000
実効値: 1750
結果として得られる棒グラフの長さは3文字間隔です。
デジタルI/O状態のテキスト表示
入力または入力の2つの状態に、「On」または「Off」のような名前を割り付けることができます。 IDEC SmartRelay FL1Eシリーズでは、デジタルI/O状態のこの名前を、メッセージ出力に表示できます。状態名の文字の最大数は、西欧言語文字セットでは8、アジア言語文字セットでは4です。メッセージ出力領域のON/OFFボタンを使用して、メッセージ出力で使用する入力または入力の2つの状態の名前を定義します。
1つのメッセージ出力の中に、最大4つのデジタルI/O状態名表示を設定できます。
1つの回路プログラムの中に最大20のI/O状態名を、メッセージ出力ファンクションブロックで使うことができます。
残存タイマ時間の表示
IDEC SmartRelay FL1Eシリーズでは、タイマの残存時間を、メッセージ出力に表示できます。この機能の前に、タイマの現在の経過時間およびタイ マパラメータを表示できます。
メッセージ出力に配置されると、残存時間は、タイマが時間切れになるまでに残ってい る時間を表示します。複数のタイマ値(たとえばオンディレー時間、オフディレー時間)のあるタイマの場合、それぞれの残存時間をメッセージ出力に表示できます。
アナログ入力の表示
メッセージ出力に表示するアナログ入力を選択することもできます。メッセージ出力領域のAIボタンを使用して、メッセージ出力領域に配置する特定のAIを選択することができます。
メッセージ出力にアナログ入力がある場合、アナログ入力フィルタタイマのグローバルメッセージ出力設定が、メッセージ出力を現在値でアップデートする頻度を指定します。更新時間は、100 ms、200 ms、400 ms、800 ms、1000 msから選択します。メッセージ出力に2つ以上のアナログ入力がある場合、更新速度はそのすべてに適用されま す。
スタティックエディタ(手動編集)
WindLGCは、メッセージ出力用のスタティックエディタを備えており、テキストエレメントを再配置 する必要があるときの助けになります。たとえば、それにはリサイクルビン領域があり、表示エリアでメッセージ出力エレメントの位置を再配置するために、エレメントを一時的に移動する ことができます。他のエレメントの位置を変えずに、エレメントを上下 左右に移動できます。
スタティックエディタを使用するには、メッセージ出力領域上方の[手動編集]ボタンをクリックします。メッセージ領域で、既存のエレメントと位置 が競合するエレメントを配置または移動しようとする場合も、手動で編集するように指示されます。
シミュレーションモード
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FL1A~FL1B: メッセージ出力の最大数: 5 サポートされないもの:メッセージチッカ、棒グラフ、アナログ入力、I/Oステータス名、残存タイマ時間 FL1C~FL1D: メッセージ出力の最大数:10 |
テキスト文字のコピーと貼り付け
メッセージ出力領域またはI/O ステータス名のテキスト編集領域に文字を入力するときには、キーボードショートカットを使ってコピー(Ctrl-c)や貼り付け(Ctrl-v)をすることができます。コンピュータ上のドキュメント、メッセージ出力のテキスト、I/O ステータス名のテキスト、またはテキストディスプレイ電源オン画面のテキスト編集領域のテキスト間で、文字をコピーしたり貼り付けたりすることができます。WindLGC では、貼り付けた文字が選択した言語になっていることを検証します。テキストメッセージ、I/O ステータス名、およびテキストディスプレイ電源オン画面の文字入力領域でのみ、コピーおよび貼り付けをすることができます。たとえば、棒グラフ、ファンクションブロックのパラメータ、または選択した言語のテキスト文字以外のものをコピーおよび貼り付けることはできません。
文字を貼り付けるために、Ctrl-xで文字を切り取ることはできません。ただし、コンピュータ上のドキュメントからは文字を切り取ることができます。WindLGC では、メッセージ出力、I/O ステータス名、またはテキストディスプレイ電源オン画面の編集ダイアログからの切り取り操作はサポートしていません。
制限事項
メッセージ出力ファンクションブロックに、以下の制限が適用されます。
最大50のメッセージ出力ファンクションを使用できます。
メッセージ出力に合計最大32の棒グラフを使用できます。
WindLGCは、メッセージ出力に定義された機能のすべてをサポートします。IDEC SmartRelay装置で直接プログラミングする場合、限られた数のメッセージ出力機能のみをプログラミングできます。IDEC SmartRelay装置からのメッセージ出力のプログラミングの詳細については、IDEC SmartRelayマニュアルを参照してください。.
各メッセージ行には、24字(西欧言語文字セット)または文字16字(アジア言語文字セット)を含むことができます。 メッセージ出力には、以下の制限が適用されます。
- パラメータの最大数: 4
- 棒グラフの最大数: 4
- I/Oステータスの最大数: 4
- 時刻/日付値の最大数: 4
- アナログ入力の最大数: 2
設定時に注意すべき特定の特性
メッセージ出力を、ブロックプロパティダイアログで設定できます。 各メッセージ出力に最大4行(IDEC SmartRelayおよびテキストディスプレイのテキストディスプレイには4行あります)を入力し、優先度を設定できます。カーソルキーまたはマウスを使用して、次の行に移動できます。ENTERキーを押して、ブロックプロパテキダイアログのすべての入力を確定し て、ダイアログを閉じます。
他のブロックの実効値もテキスト行に指定できます。それには、[ブロック]ダイアログから関連するブロックを選択します。[パラメータ]ダイアログが開いて、選択したブロックに使用できるすべてのパラメー タのリストが表示されます。このダイアログで選択するパラメータが、 選択したテキスト行に書き込まれます。これで、メッセージ出力を呼び出したときに、パラメータの実効値が含まれます。
[メッセージを承認]属性を設定して、メッセージを閉じる前に承認する必要があるかどうか を指定します。
シミュレーションモード